サステナビリティ TNFD提言に基づく施策

TNFD提言に基づく施策の「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報を開示するとともに、今後も開示内容の充実に向けて検討していきます。

1.ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティを巡る課題への対応が、リスクの低減のみならず、収益機会にもつながる重要な課題であると認識しており、ガバナンスの強化と当社グループのサステナビリティへの取り組みを確実に推進することを目的として、サステナビリティ委員会を設置しました。
サステナビリティ委員会は、社長執行役員が委員長をつとめ、委員長と副社長執行役員が指名する者を委員として構成し、基本方針や推進活動などについて審議を行います。
サステナビリティ委員会において審議した事項のうち、重要事項については取締役会等の決議を必要とし、またサステナビリティへの取り組みの進捗状況についても、都度必要に応じて取締役会に報告します。

ガバナンス体制図

体制を示した図

2.戦略

事業活動においては、必要資材の調達から廃棄に至るまでバリューチェーン全体で自然資本・生物多様性に依存し、インパクトを与えています。

まずは当社グループの事業活動における自然との関わり(自然資本・生物多様性への依存・インパクト)を分析しました。
事業活動における自然との関わりの分析に当たっては、TNFD提言において推奨されているLEAPアプローチを参考に検討を行いました。

対象とする事業

当社グループのバリューチェーンを含めた事業フローを整理し、デバイス事業およびソリューション事業を対象事業としました。

当社グループの事業フロー

事業フローを示した図

事業活動と自然との関わり

事業活動における自然資本との関係について、一般的な依存・インパクトの概要を簡易に分析するツールであるENCOREを使用し、これに当社グループの事業特性を加味することで、事業種ごとにバリューチェーン全体における自然資本・生物多様性への依存とインパクトについて分析しました。

当社グループは、事業活動で商材として扱う電子部品・半導体の必要資材等の調達、製造、輸送において自然がもたらす様々な機能に依存するとともに、同過程で出る廃棄物や温室効果ガスの排出等により自然資本へインパクトを与えています。

当社グループは幅広い商材を様々な業種の企業と取引していることから、バリューチェーン下流の事業活動は多岐にわたります。そのため、バリューチェーン下流における自然との関わりの特定は行なわず、バリューチェーン上流と自社事業を対象としました。

デバイス事業におけるバリューチェーンマップ

デバイス事業におけるバリューチェーンマップを示した図

ソリューション事業におけるバリューチェーンマップ

ソリューション事業におけるバリューチェーンマップを示した図

[コラム:ENCOREを用いた事業活動と自然との関わりの定性評価]

当社グループの事業活動と、それをとりまくバリューチェーンと自然との関わりについて、事業種別に簡易に評価できるツール「ENCORE*」を用いて定性評価を行いました。
ENCOREが示す自然資本への依存とインパクトの評価ランクを、当社グループの事業特性と照らしあわせて修正した結果、自社事業よりもバリューチェーン上流において自然との関係性が高いことが分かりました。

ヒートマップ

依存/インパクト 依存 インパクト
生態系サービス/インパクトドライバー 供給サービス 調整サービス 資源の利用 土地利用・占有 気候変動 汚染 外来種
淡水の供給 洪水緩和、水量の安定化 土砂災害防止、土壌保全 気候の安定化、暴風緩和 水質・大気の浄化 淡水の利用 自然の改変 温室効果ガスの排出 汚染物質の排出 廃棄物の排出 光害・騒音 外来種の侵入
上流 原料調達(電子部品) 高 高 中 高 高 中 高 中 高 高 高 低
原料調達(半導体) 高 高 高 高 高 中 高 高 高 高 高 低
製造(電子部品) 中 中 低 中 中 中 低 中 高 中 中 低
製造(半導体) 高 中 低 中 高 高 低 中 高 低 中 低
製造(IT機器) 低 中 低 中 中 低 低 低 高 低 高 低
輸送  低 高 低 高 中 中 中 高 高 中 高 高
ソフトウェア開発 低 低 低 低   低 中 低 低 低 低  
自社事業 卸売(電子部品) 低 中 低 低   低 低 中 低 低 低  
卸売(半導体) 低 中 低 低   低 低 中 低 低 低  
卸売(IT機器) 低 中 低 低   低 低 中 低 低 低  
ソリューション提供 低 中 低 中 中 低 中 低 高 低 高 低

※ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure):民間企業の自然への影響や依存度の大きさを把握することを目的に、国際的な金融機関のネットワーク「自然資本金融同盟(Natural Capital Finance Alliance(NCFA))」及び「国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)」などが共同で開発したツール。

主なリスク・機会

当社グループの事業活動と自然との関わりを把握した結果を踏まえて、今後主なリスク・機会の特定を進めてまいります。

[コラム:エコロジカル・フットプリントを用いた事業活動と自然との関わりの定量評価]

リスク・機会の重要度評価に向けて、自然資本への依存とインパクトの大きさを定量的に評価するため、エコロジカル・フットプリント(EF)*の算定を行いました。

※カーボン・フットプリント:二酸化炭素を吸収するのに必要な土地(二酸化炭素吸収地)面積のこと

※出典:ひと目でわかるエコロジカル・フットプリント(WWFジャパン、2015)に当社追記

エコロジカルフットプリント(Ecological Footprint):

  • 事業活動を行うために必要な自然資本を生産したり、排出物を浄化するために必要な土地を、仮想的な土地面積(gha)で表した指標。
  • 調達先等のバリューチェーンを追跡できなくても、複数の依存・インパクトを統合的・定量的に評価できる統合指標として活用可能。
  • 生活に必要な面積は、耕作地、牧草地、森林、漁場、二酸化炭素吸収地、生産阻害地の6つの利用タイプに区分される。
  • 再生産不可能な調達品については、LCIデータを用いてエコロジカル・フットプリントで算定可能な再生産可能な物質に分解し、評価を実施。

当社グループのエコロジカル・フットプリントを算定した結果、自然資本への依存・インパクトの大きさは、バリューチェーンでみると上流が約99.5%を占めていました。事業活動別にみるとデバイス事業が約92%を占めていました。
また、自然との関わりは、主に水の供給で自然資本に依存し、温室効果ガスの排出で自然資本にインパクトを与えていることが分かりました。

当社グループのエコロジカル・フットプリントの算出結果を示した図

優先地域

自然関連のリスク・機会を特定する過程においては、今後優先地域の選定も行ってまいります。

3.リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関する「マテリアリティ=優先して取り組むべき重要課題」を特定する過程において、当社グループのリスク・機会を抽出し、「経営の重要度・影響度」と「ステークホルダーの重要度・影響度」の2つの視点のマトリクスで、リスク・機会の重要度を評価しております。

自然資本・生物多様性への対応に関しては、今後リスク・機会の特定、重要度評価、優先地域の特定を実施し、具体的な対応策の立案等、順次取り組んでまいります。

4.指標と目標

自然資本・生物多様性に係る指標と目標については、今後リスク・機会の重要度評価結果等も踏まえて設定してまいります。

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